■何も買わない
我が家の荷物の多さには、訳がある。
家族が独り立ちする、細胞分裂するわけだが、これがひょんな事から帰ってくる、ひと家族分の荷物とともに。再び細胞分裂を試みるときは新しい荷物を買い整えて出て行く。何回か、こうした動きがあると、「なぜ?」というくらい荷物が増える。物置にはいろんな大きさの冷蔵庫が並んでいたりする。これを捨てたり、もらってもらったりで、この機会にきれいに整理した。
さらに、今回の引越しでまず、決めたことは、当面は何も家財道具は買わないということ。昔風の日本家屋から、ちょっと風変わりな山小屋風木の家への引越しだから、家具も不似合いなものがたくさん出そうだが、なんとか押し込んでしばらくは衝動買いはしないと決めた。
■手持ちの家具でレイアウト
では、手持ちの家具をどのように押し込むかを決めるために、本契約から数日後、再び、木の家へ行ってみることにした。車を走らせながら、まもなくこの道が家路になると思うと、何だか不思議な気がした。
すでにモデルハウス用にレイアウトされていた家具類はなくなっていた。普通、家具を取り除くと、部屋はだだっ広く見えるものだが、狭く見えた。さすがモデルハウス用の家具であり、インテリアデザイナーの面目躍如といったところか。
正直な広さ、狭さを暴露したこの家に今度は日本家屋仕様の家具を配置することになる。さて、どこに、なにを、と母とふたり、思案した結果、洗面所に水屋を、リビングに古い車箪笥を、という奇抜な取り合わせを含め、大方のレイアウトを決めた。
■マッチ1本!
庭に出て、今の家から運べる木はあるかを考えたが、今の家の庭を壊したくないということと(お隣の「庭の木を抜け!」の命令に絶対、従いたくない意地もある!)、枝ぶりを作った松や梅が似合う家ではないという理由で、庭木は小さい盆栽のような木以外は持ち込まないことにした。それにしても、スギナだらけだとしゃがみこんで庭の雑草を抜いていると、前の道を通りかかったウォーキング中らしい年配のご夫婦の会話が聞こえた。
ご主人が木の家に気付いたらしく
「おお、まさに木の家だね、この家は・・・」と言えば、間髪いれず奥様が
「マッチ1本で燃えるわ」と返事をされた。
しゃがんだまま、顔を見合わせた母と私。母は小さな声で
「引越したら、一番に消火器、買いに行こう!」と言った。買い物はしないと決めていたが、これは例外、買おうと思った。
■夜の訪問者
どんどん引越しの日は近づいてくる。特に発表したわけではないのに、どうやら、あの家は引越すらしいという噂が広まったようで、あわただしい中、いろんな人が夜になると我が家にやってきた。ある人は「なぜ、あなたたちが引越さなければならないの」と悔しがり、また、「うちのお隣も困ったもので・・」と隣近所の話をしていく人あり、引越しの間はなかなか花を飾る余裕もないでしょうからと、長持ちする蘭の鉢植えを餞別に持ってきてくださる人もいた。
我が家ではもう一つ、決めたことがあった。この土地の人間関係もこの家に置いていこうと。新しい家では、新しい友を求めて動こうと考えた。
だから、多くを語らず、人の手も借りず、さっと引越すことにした・・したかった。
2007年6月28日 レベッカの日記 | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)




